第45回アイカ現代建築セミナー ベルナール・チュミ ~vectors and envelopes~レビュー

有楽町朝日ホール
第45回アイカ現代建築セミナー

ベルナール・チュミ ~vectors and envelopes~

今回は、建築系のお話なので、ご説明を少し入れます!

ベルナール・チュミとは

スイス生まれの建築家です。
都市計画に対しての造詣が深い方です。
チューリッヒ工科大学卒業
英国建築協会付属建築専門大学(通称AAスクール)などで授業を展開。
日本では
関西国際空港コンペ案
第二国立劇場コンペ案
フランス国立図書館コンペ案
などの建築においてのご提案などをしてくださった
有名な建築家さんです。
ご存命ですが、もう70歳を過ぎています。

ベルナール・チュミ ~vectors and envelopes~ について

「彼の言う力学とは、人の行為により引き起こされる力=vectorsが建築と深く関わり、その予期せぬ人間の行為を包み込むものこそが建築=envelopesであることを意味するものであった。建築と動きの関係。そこには密接な関係があることを彼は空間的に定義づけた。空間の成り立ちとは一体どういうものなのだろうか。そして、建築活動を続ける上でその延長上には一体何が存在しているのか。

完璧な建築は必要ない。考えつくされた構造物には味が無い。不規則な形をした物体を構造物に巻きつかせるように挿入することにより、予期せぬ形の空間が予期せぬところに現れる。元々人間は予期せぬところにできた場所を認知し、生活をしてきた。活動を行う上で自由にその空間を使ってきたのだ。ミース・ファンデル・ローエが提唱したユニバーサルスペースと同様である。そして、予期せぬ空間では時には線、面に限らず場所を汚染しあうことも必要であり、空間の成り立ちにおいての定義間でのコラボレーション的な行為が建築の根底で、その空間で何が起きるか、人々になにを与える空間となるのかというものを意味づけ、人々の活動を糧として建築そのものが成長していくのではないか。

全てはゼロから始めるべきだ。印象的な言葉だった。既存の定義された物体はそれ以上の存在になることはできない。屋根は屋根以上の存在にはなれない。現代の建築はただの組み合わせられた代物であり、決められた空間に決められた行動が繁茂する。標準の打破、根底の撤回を基礎として、新たな空間を探していた。そして、彼は動きを用いて建築というものを追求していると語った。既存の定義された空間から抜け出し、作ってきたものをまたしても定義づけようとしていたのだ。彼の建築活動の延長上には何も無いようだ。未だ追及の最中らしい。

建築とは現実と芸術の狭間に存在する奇妙なものである。現代の建築はただ最もなコンセプトを立ててそれを立体に起こしたものだけでそれ以上の存在となっていない。そういうくだらない設計は賞金コンペの上だけで行ってほしい。建築は1番の存在になる必要はない。目標を達成する上での道具の一つに過ぎない。小奇麗な空間だけが前に進み、重要なことが前に出ていない。重要なのは建築が人々の活動や対話、思考としての媒体と成すかどうかであり、全ては人間の意思の中に建築芸術は存在する。最近では多くの者が美しい表現だけを重視し、その薄っぺらい建築はいかにも美しくそびえているように見えるがそれはただの醜い思想の塊でしかない。自分勝手な建築物が台頭する中、多くの著名な建築家がこのような間違いだらけの建築活動を進めて行くことは残念でならない。建築物がそこに存在したとしてもその地には人の想いは一つも無く、何十年後に壊された時にはなにもそこには残らない。時間と空間の隙間を埋めたただの物体だ。美しい空間へのアクセスの過程を競っているだけでは真の美しい空間が生まれることはないだろう。建築を用いてできることはもっと大きなことであり、物理的に表れるものでもあるが人々の心の中に創られる建築を挑発する建築こそが活動の延長上にあるものだと疑ってならない。

ちなみに、
有楽町朝日ホールの住所は、
〒100-0006
東京都千代田区有楽町2丁目5−1 有楽町マリオンにある、
大きなホールです。
おしゃれなつくりです。大理石が壁面に大きく広がっているので、
初めての人は、驚かれる方もいるでしょう。

2000年7月18日