三宅一生展 東京現代美術館について

三宅一生展 東京現代美術館について

三宅一生とは

服飾デザイナー、ファッションデザイナー。
2017年には79歳にもなります。
高松宮殿下記念世界文化賞彫刻部門(2005年)なども受賞。
その評価は世界的です。
被爆体験の公表などでも有名です。
パリ・コレクションに参加していたりしています。

東京現代美術館
三宅一生展 Issey Miyake Making Things

パリコレクションにおける代表的な日本人デザイナー三宅一生。彼のデザインする衣服は革新的で無限の創造性を感じさせてくれる。我々が日常生活で欠かすことのできない存在となっている衣服が彼によって新しい一つのものへと成長を遂げた歴史の展示会でもある。彼の10年間にわたる創作。人の意思は歴史となる。意思が歴史となった時、彼が踏み出した最初の小さな一歩は偉大な一歩となる。

ジャンピングと呼ばれる彼のデザインした衣服たちが一本のワイヤーにより吊り下げられ、上下左右に運動しているものがあった。衣服のダンスホールと化した空間。提灯のような構造の衣服が縮み、また伸びる。衣服を用いることにおいて動きというものは重要な要素の一つである。衣服の展示だけでは成り立たないものも、人が着て動いた時に機能として、また衣服としての存在を確立する瞬間でもある。衣服の存在が引き立つ、生命を感じさせるものであった。

A-POC、A Piece Of Cloth と題されたプログラミングされた機械の中で糸から服になるというものだ。一つの形に捕われず素材そのものの力、自由な工夫が見てとれる。完成した衣服は一つもなかった。全ては着る者により、新たな創造が加えられオリジナルとなる。衣服とは着る者の意思がそなわっていなければただの布に過ぎず、ノリシロを残した彼の作品は着る者により完成に至る。

大きな黒い円形の物体。何十枚もの服がつながれ、ロールされたものである。はさみで切らなければ着ることができない、服となる直前の存在、just beforeと題されたものである。切るという行為により布は衣服としての存在を得る。着る者たちがある一つの行為により服を完成させる楽しみを彼は伝えたかったのだ。その最後の行為には切るや重ねる、たたむ、織るなど様々なものがあるが、衣服を造る上でそのような一つの行為の重要性、衝撃性を考えることができる。一つの行為をコンセプトとして物事を考えると、これほどまでに多くの作品が生まれ、創ることの楽しみと普遍性を感じることができるのだ。

彼の衣服への考え方の中には着る者たちが着る前に服で創作を楽しむ行為を含み、未来の服づくりに対する提案が盛り込まれている。作り手と担い手のよる自由なコラボレーションがより一層、服に息を吹き込み、深い作品となる。この二つの間での多くの衝突は大きな芸術を生むだろう。その点においてjust beforeには不足部分があるが、ものづくりの創造性、楽しさ、自由さを示す表現力は高いものがある。今回の展示会では様々なものが繁茂した存在である衣服デザインの存在としてではなく、芸術としての工夫を垣間見ることができ、コラボレーションの重要性も改めて考えさせられた。

2000年7月13日