江国香織の童話集「こうばしい日々」レビュー

江国香織の童話集「こうばしい日々」レビュー

江国香織の「こうばしい日々」という作品を読んだ。
この作品は、童話集で、
産経児童出版文化賞、翌年坪田譲治文学賞受賞した作品だ。
アメリカ育ちの大介の日常を描いた、甘酸っぱいお話です。
恋愛と、野球と、遊びと、勉強と。
少年の日々がいっぱいです。
ガールフレンドのジルへの想いなどは、男性、少年視点でも
こんなに書けるんだと感心しました。

もともと、江国香織のほんとの出会いは、「きらきらひかる」。
この作品を読んで以来、僕は古本屋で、彼女の本を見つけると
必ず買って読むほど、彼女の作品のファンだ。
なぜ、そんなに好きなのかというと、
前向きで明るく、読みやすい文章。
それが、この「こうばしい日々」では、真骨頂といわんばかりに表現されている。

吉本ばななの文体に似てはいるが、作風が全然違う。
まず、人が死なない話であること。この点が大きく違う。
それでいて共感を誘うセンテンスと、重みのある文章。
それなのにテンポが良く、さらりとテーマを読者に突きつけてくる。
夏を迎えるにあたって、「こうばしい日々」は、ぜひ読んで欲しい一冊です。

江國香織とは

童話作家、小説家、翻訳家で詩人。
『草之丞の話』で童話作家としてデビュー。
『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本 周五郎賞を受賞。
2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞を受賞した。
『冷静と情熱のあいだ』は映画化もされ、大ヒット。
2015年には 『ヤモリ、カエル、シジミチョウ』で第51回谷崎潤一郎賞受賞。