真保 裕一「繋がれた明日」の感動は刑法犯に読んで欲しい

真保 裕一「繋がれた明日」の感動は刑法犯に読んで欲しい

ジャンル:サスペンス

2003年に発表された小説。
2006年3月に、NHKでドラマ化されました。
主演に青木崇高、脇に杉浦直樹、銀粉蝶、吉野紗香
若き日の桐谷健太も出演しています。
NHKの名作ドラマですね。

真保 裕一という作家は実に精巧に物語を作る。だから、嫌悪感を催すほど
細かいっ!と思われることもあるだろう。
話がなかなか進まなくてイライラする~と誤解されることもあるだろう。

しかし、そこにリアリズムがあると考えれば、それは素敵なことだ。
深くえぐる洞察力だけじゃない。事実を記載することの
美しさ、ジャーナリズムがあると考えられるからだ。

前置きは長くなったが、今回の「繋がれた明日」は
精巧に物語を作ってはいるが、テンポがいい。
バランスの取れたサスペンス。

そういう意味では、今回の作品は、一般的な作品だ。

真保ワールドの、「ぐるぐる回る現実」というのは
感じられないものの、真保 裕一の感じる
人間性の性善性が見事なまで描かれている。

人を殺した少年が出所をして、自立していくまでを
描くストーリー。
「黄金の島」もそうだったが、最近、鬱屈した空間を
描くのが実にうまい。
こちらまで憂鬱になってくるくらいだから。

それでいて、ストーリーには、希望やはかなさが
人間の切なさが滲み出ている。
NHKがドラマ化をしたのも、わかる。
そんな作品でした。
真相を求め孤独な旅をしていく後姿が本当にいい。

■真保裕一さんなら、長編小説 「奪取」も名作です!!
山本周五郎賞受賞のハードボイルドアクション。
頭脳系なので面白いです。