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ブレイブピープル

クライマックス!青春小説「ブレイブ ピープル」END

最終回!青春小説「ブレイブ ピープル」END 安藤も渡辺も、西郷も酔いつぶれていた。あの高杉さんも酔いつぶれて寝ている。相変わらず、美紀だけがひとり起きている。 「何やっていたの? 男同士で。危ない関係かな?」 「はいはい、美紀はバカやってないで。ところで、俺と結婚する? あと、専務就任は?」 美紀は赤い顔をゆっくりとトシの方に向けた。 「ねえ、いつまでも私のこと好き?」 「ああ」 一瞬の沈黙が流 […]

希望と青春小説「ブレイブ ピープル」21

希望と青春小説「ブレイブ ピープル」21 「で、わかった瞬間に思ったんだ。自分の寂しさがわかる人間に会ったからといって、どうなるというんだろう。自分がそれで癒されるのかって。もちろん、そんなんで癒されるわけなんてない。自分の寂しさを再認識するだけだ。自分よりも強い人間に守ってもらいたかったんだ。引っ張って欲しかったんだ。でも、そうじゃない。自分で生きるんだって思った。自分を癒してくれる人間を求める […]

悩める青春小説「ブレイブ ピープル」20

悩める青春小説「ブレイブ ピープル」20 「おお、それと、このジャニーズ系が、安藤。盛りつけが担当だが、もちろん、料理の腕も抜群だ。美紀は会ったことあるよな、こいつと。俺がまだ修行していた頃に、一回、安藤と美紀と三人で飯食いに行ったことあるじゃないか。ん。忘れてるのか。たく。当時、俺と安藤はライバル同士だった。けどな、こいつがバイク事故で左手の筋を怪我してから、天下屋はこいつを放り出した。そん時か […]

考える青春小説「ブレイブ ピープル」19

考える青春小説「ブレイブ ピープル」19 『赤船』の玄関を開けると、店中にすごい飾りが施されていた。天井から、折り紙で折られたワッカがぶら下がり、カウンターの上には段幕が飾られている。もっとも、部屋の飾りとは対称的に段幕には何も書かれていない。 「おお、諸君」 紺の割烹着を着たトシが、店の奥から出てくる。神々しいほどの笑顔をひっさげてだ。僕がトシの顔を見たのは昨日の二日酔いの時が最後だったので、相 […]

将来は何?青春小説「ブレイブ ピープル」18

将来は何?青春小説「ブレイブ ピープル」18 美紀の声は素っ気ない声だった。別にそれが悪いわけではない。けど、何となく。僕は何となく淋しかった。 「ええ」 「おいおい。なんだよ。永遠の別れみたいに。永遠の別れじゃねーだろうが。ま、俺と美紀は永遠の別れだけどな」 トシは何にでも首を突っ込んでくる。それは会話の雰囲気を跡形もなく壊す。それだけではなく、会話の軸を全て自分の方に持ってくる。もっとも、昨日 […]

将来の行く先は?青春小説「ブレイブ ピープル」17

将来の行く先は?青春小説「ブレイブ ピープル」17 トシは僕と似ているのだろうか? いや、全然似ていない。 「似てないですよ」 「ええ、でも、さっきの太閤さんの話を聞いていると、太閤さんも人にあまり助けられなかった感じがするけど」 美紀の言うとおりだった。ただし、トシとは理由が違う。僕の場合、助けを求めることができなかったのだ。変に高くついたプライドのせいだろう。いや、怖かったのかもしれない。自分 […]

将来に悩む青春小説「ブレイブ ピープル」16

将来に悩む青春小説「ブレイブ ピープル」16 人に無理させといて、それはないだろう。僕はそう思いながら、ウィスキーの瓶を自分の袂に寄せた。そして、お返しと言わんばかりに、ウィスキーを美紀の赤いグラスに注いだ。 「ど、どうぞ」 喉がヒリヒリとしていて、これ以上は声どころか音にもならない。それでも、僕は懸命に美紀にウィスキーを勧めた。 「よーし、んでは飲んじゃおう」 美紀はグラスの中身をいとも簡単に飲 […]

将来を考える青春小説「ブレイブ ピープル」15

将来を考える青春小説「ブレイブ ピープル」15 ははは。背中のトシの笑い声が高鳴っている。はあ。僕はため息をつきながら、エレベーターに乗り込む。エレベーターの中でも、トシは笑っている。狂っている。ここまでくると、狂っている。そう思っているうちに、エレベーターのドアが開き、僕はトシを背負い、エレベーターを出た。美紀の部屋まであと少しの我慢だ。僕は自分に言い聞かせながら、美紀の家の玄関についた。玄関ホ […]