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僕と智美の最後の冒険

web小説「僕と智美の最後の冒険」END

web小説「僕と智美の最後の冒険」END そんな瞬間だった。智美は止まった。そして、もたれかかるように、僕に抱きついた。突然で驚きはしたが、僕はしっかりと智美を抱きしめた。今までだって、何度も抱いた智美だったが、今日ほど重く感じたことはなかった。智美の髪の香りを強く感じながら、僕は智美との時間を生きた。明日からはないかもしれない、智美との大切な時間を生きた。 「ねえ。今日、ずっと一緒にいよ!」 答 […]

web小説「僕と智美の最後の冒険」5

web小説「僕と智美の最後の冒険」5 僕は何かをつかんだような気がした。 「まあ、お互い大変のようだが、がんばろうな。どんなことになっても、お互い、自分や他人を恨むのはやめような。悪いのは、運命だ。どんな結果も仕方がないんだって、あきらめるしかないんだからな。」 先輩は、年長者の威風たっぷりに偉ぶっていた。皮肉にも、そんな先輩が自分で自分をたしなめているように見えた。ほとんど空のビールを一気に飲み […]

web小説「僕と智美の最後の冒険」4

web小説「僕と智美の最後の冒険」4 漆黒の海を前にして、僕らは足を止めた。波が来そうで来ないところに、僕らは陣取り、毛布をひいて、ゴロリと横になった。 「お前、夜の海って初めてか?」 僕にとっては、新鮮そのものであった。僕はビールを喉に流しながら、首を縦に降り続け、先輩の次の言葉を待った。 「そうか。いいだろ。男らしいだろう。これが海というものだ。わかるか。」 黙って、僕は暗い海を見た。そして、 […]

web小説「僕と智美の最後の冒険」3

web小説「僕と智美の最後の冒険」3 しかし、そうこう考えたり、悩んでいるうちに、時間は過ぎていく。僕と智美はその間に何度となく会い、僕は何度となく智美の未来予想図を聞いた。楽しそうに未来の夢を語る智美に、行くなの一言はどうしても出しにくい。それに、僕とて行かせたい。自分の問題がないのであれば。だが、気持ちという自分の問題が、高い壁のように、僕の智美への行かせたいという気持ちに、高く高くそびえ立っ […]

web小説「僕と智美の最後の冒険」2

web小説「僕と智美の最後の冒険」2 「なあに、話って?」 ミルクコーヒーをスプーンでかき回しながら、智美のぱっちりと開いた目が僕を捉えた。, 「ああ、昨日、霧から、電子メールもらったんだけどね。その中で、霧がね、智美がパリへの留学が決まったって書いてあったんだ。それって、ホント?嘘かな。」 宙に指で半円を描きながら、冗談っぽく僕は尋ねた。内容の深刻さがゆえに、僕は思いっきり軽い感じで話しかけたの […]

web小説「僕と智美の最後の冒険」1

web小説「僕と智美の最後の冒険」1 読みやすさにかけては、私の作品では1,2を争うと思います。テンポの良さが売りですね。自己評価はまあまあというところですね。現実感というよりも、あれっというストーリー展開に主眼をおいてますから。 内容は一組のカップルのお話です。彼女が留学を言い出してからの男の葛藤を主に、最後の逆転劇までを描きます。 《渉くんへ。渉くん、最近、そっちはどうですか。ちゃんと司法試験 […]