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六色の弾丸

web小説「六色の弾丸」4 END

web小説「六色の弾丸」4  「さて、帰るか。これであと残ったのは、二発だな。」 そばにいるはずの神に、僕は笑いながら告げた。漆黒の中に隠れている神は、顔を見せもしないし、声も聞かせてくれない。それでも、僕にはわかり始めていた。あともう少し神に対面できるということを。なぜなら、動物たちの生死を決めることのできる僕は神に近づきつつあるのだから。だから、今度は意識して、僕は笑った。神に誇示したかったの […]

web小説「六色の弾丸」3

web小説「六色の弾丸」3  地下鉄の中吊りを見ながら考えた。人はなぜ、こうも噂好きなのだろう。しゃべりたいという欲望に動かされているからだろうか。もし、そうであるのならば、それは僕のやっていることと薄い皮一枚も変わりない。ならば、僕のやることだって、社会の評価的に正当性があるはずだ。神が僕の行動を正当化してくれているし、みんなも正当化してくれる。すなわち、僕は正しいのだ。この世で、ただ一人正しい […]

web小説「六色の弾丸」2

web小説「六色の弾丸」 第2回  あのウサギが僕の前に姿を現したのは、僕が大学に入って三ヶ月がたった頃だった。学食で、大学に飽き飽きしていた僕の前に、青いスラッとしたロングスカートを履いたウサギが現れたのだ。そして、僕の隣に座り、僕に話しかけてきたのだ。不思議と、その時の僕らは気があった。僕のだるさという周波が、ウサギのだるさという気まぐれに見事に適合したのであろう。その日を境に、僕らは大学生活 […]

web小説「六色の弾丸」1  

オンライン小説「六色の弾丸」 第1回  琥珀色の町に、僕はただ眠気マナコでトボトボと歩みを進めている。しかも何の目的もなく、そして、何の意思もなく。ただ、茶色い革靴と、僕の青春という愚かしくも無自覚な時間をすり減らすために。やがて、闇は僕を包み込むだろう。そうすれば、僕は、この無目的な歩みを止めて、大都会の路地裏に、ある目的のために体を移らせるだろう。そう、それは遊び疲れ、喉の渇いた子供が水を欲し […]